2017/06/23

退屈してシラケている犬の目

「フン!」というような目の表情。
 犬はヒトのコトバをしゃべらないから、目でものを言う。
しかし、残念ながらヒトは犬の目のコトバを理解できているとは限らない。

視線を感じて振り向いたら、リリーが私を見ていた。
その2秒後ぐらいに、リリーは目をそらした。
「へっ・・・」という感じの目のそらし方で、ちょっとシラケた感じ。
「フン!」という感じで私を見つめ、「へっ・・・」という感じで目をそらす。

リリーは退屈の極地にいる。
その退屈の解消方法を見いだせないで、じっとうつ伏せになっている。
リリーの顔のそばにはオモチャが転がっているが、こんなオモチャで退屈心が癒せる訳が無い。
リリーは、そうヒトに訴えているのだが・・・。

正午に近い時間帯は、リリーはたいてい眠っている。
なのに、今日は目がパッチリ。
だんだんと陽が射してきて、外は晴れて明るい。
昨日は雨降りだったのが、今日は晴れ。
しかも、そんなに暑くない。
青森の今年の夏は冷涼だ。
こんな日は、久しぶりに外を歩き回りたいのだ。
昨日は雨のため散歩も満足にできなかった。
その帳尻を今日つけなくては。
リリーの気分はワクワク。

だがウィークデーにそんな希望がかなったことはない。
犬の体内時計と記憶は正確だ。
ウィークデーは、ヒトは一日中仕事だからね。
などと思いながらも、もしかしてという犬のかすかな希望。
こうやって見つめていれば希望がかなうかもしれない。
「もしかして、どこかへ連れて行って・・・・」と願いつつ。
そのあとすぐに「連れて行ってくれるわけがない!このサルオヤジ!」と、思いを打ち消して、密かに私を罵る。
そんなときの目だね、これは・・・・。

今度は上の方へロンパリぎみに目をそらした。

ちょっとシラケた目で私を見ている。