2012/06/26

犬が怒るとき

子犬のように可愛い顔をして眠っている。
近所で犬を飼っているヒトが、犬のおやつを取り上げようとしたら、犬が今迄に無くひどく怒って威嚇してきたので、びっくりするやらショックだったやらと話していた。
本気で牙を剥いて噛み付く姿勢をとったと言うのだ。
そのワンちゃんは、2歳の柴犬と何かのミックスで男の子だという。
そのワンちゃんのことを、何か恐ろしい問題犬のように話していたのが印象的だった。
私が子どもの頃は、犬が食事しているときに横から手を出すと犬に噛まれる、ということをよく聞いたものだった。
この若い飼い主さんは、年寄りのそういう話を聞く機会が無かったのだろう。
今の若い人達は、老人との会話の機会に恵まれていないから、そういうトラブルに対して大きなショックを受けるのかも知れない。

そのワンちゃんが、手の付けられない問題犬なのかどうかは私には解らない。
ただ、飼犬だって怒るときがあることは、私でもよく知っている。
リリーは眠っているときに体を持ち上げようとすると怒る。
その持ち上げようとした手に噛み付く振りをするのだ。
せっかくお気に入りの場所でくつろいでいるのに、それを邪魔されると怒ってしまうのだろう。
一回威嚇行動をした後は、静かに別の場所に移動して、さっきのことは忘れてしまったようにくつろぎ始める。

眠っている時に、体に触れたり頭を撫でたりしても、怒るようなことは無い。
むしろ、もっと撫でろと催促してくることがあるくらいだ。
ここを退け、とばかりに邪魔者扱いされるのが嫌なようでもあるが、安眠妨害が一番の怒りの原因のようである。

リリーは食事中にご飯を取り上げたり、おやつを取り上げたりしても別段怒らない。
きょとんとした顔をしているだけである。
犬種の違いなのだろう。
犬だからといって一様に接してはいけないのだ。

食事の途中で、勝手に食事を取り上げられて怒る人は重大な「問題行動人」だろうか。
眠っているところを蹴飛ばされて怒る人は、重大な「問題行動人」だろうか。
どんな時でもヒトに従順な犬が良い犬だなんて幻想のような気がする。
犬だって、不快なことをされて怒る感情があるから、ヒトと仲良く出来る感情もあるのだ。

犬が怒るケースは、犬種によって様々だが、怒らない犬はいないと考えた方が、犬の事故防止につながると思う。

老犬のようにくたびれた顔をして眠っている。